過失割合の争い方
名古屋の弁護士の能勢洋匡です。
本日は、交通事故の過失割合についてお話します。
1 交通事故と過失割合
⑴ 交通事故には、赤信号停車中の追突事故の様に、被害者に全く過失がないことがある一方、当事者双方に過失がある場合もあります。
⑵ たとえば、信号機により交通整理が行われていない交差点における出会い頭の事故の場合、当事者双方に過失が認められることが一般的です。
⑶ 交通事故の過失割合を判断するに当たり、実務では、「別冊判例タイムズ38号・民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準[全訂5版]」という書籍を参考にしています。
こちらの書籍には、交通事故の類型に応じた過失割合と修正要素が掲載されており、裁判官や弁護士、保険会社事故担当等も尊重しています。
2 過失割合に争いがある場合
⑴ 交通事故の過失割合について、当事者間で争いが生じることが多いのは、事故態様に争いがあるか、または、別冊判例タイムズ38号に掲載されてない事故態様である場合です。
⑵ 事故態様に争いがある場合、まず、ドライブレコーダーや防犯カメラの映像など、客観的に事故状況がわかるものがないか確認をします。
こちらがない場合、実況見分調書や物件事故報告書といった刑事記録を取り寄せる必要があります。
⑶ 事故態様が別冊判例タイムズ38号に掲載されていない場合、裁判例を調査し、同様の案件の過失割合を調べます。
⑷ 過失割合に争いがある場合、ご本人では、相手方の主張の正当なものかどうか判断するのは難しいと思いますので、一度、弁護士にご相談ください。