圧迫骨折の注意点
名古屋の弁護士の能勢洋匡です。
本日は、圧迫骨折の注意点について説明します。
1 交通事故と圧迫骨折
激しい勢いでの追突事故に遭う等した場合、脊椎の圧迫骨折が生じてしまうことがあります。
自動車事故が原因で頸椎・胸椎・腰椎の圧迫骨折が生じ、そのことがエックス線写真、CT画像またはMRI画像により確認できる場合、「脊柱に変形を残すもの」(第11級7号)として、自賠責保険の後遺障害に該当します。
さらに、脊椎圧迫骨折等により椎体の前方椎体高が減少し、後彎が生じている場合、その程度に応じて、第6級または第8級の後遺障害に該当することがあります。
2 圧迫骨折の注意点
脊柱の変形による後遺障害は、逸失利益が争われやすい障害です。
これは、圧迫骨折があったとしても、痛みや可動域制限が生じなければ、仕事や日常生活には影響がないとの考え方があるからです。
特に、被害者が、医師に対して圧迫骨折した部位の痛みや可動域制限を伝えていないと、症状が診断書やカルテに残らないため、圧迫骨折はあるものの自覚症状はないと診断書に記載されてしまうおそれがあります。
そうなってしまうと、訴訟などで事故直後から痛みが続いていると主張したとしても、なかなか信用してもらうことができません。
こういった誤解が生じることがないよう、事故による痛みが続いている場合には、必ずそのことを医師に伝えるようにしてください。