脊柱以外の体幹骨の障害
名古屋の弁護士の能勢洋匡です。
本日は、脊柱以外の体幹骨の障害について説明します。
1 脊柱以外の体幹骨の障害
自賠責保険の後遺障害認定において、体幹骨の障害は、脊柱とそれ以外の体幹骨の障害に分けられています。
自動車損害賠償保障法施行令別表第2の第12級5号は、「鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの」と定めています。
「著しい変形を残すもの」とは、裸体になったときに、変形や欠損が明らかに分かる程度のものとされています。
2 変形障害の注意点
これらの体幹骨を骨折された場合、関節の可動域に制限が生じていなくとも、変形障害により後遺障害の認定がなされる可能性があります。可動域に影響がないことを理由に後遺障害申請自体を失念してしまう可能性がありますので、ご注意ください。
なお、体幹骨の変形障害は、労働能力喪失の有無が争点となりやすいことに注意が必要です。
体幹骨が変形してしまっていたとしても、体を正常に動かせるならば、労働能力に影響がない、との反論を受けることがあります。
このため、当該変形が残ったことにより、仕事や日常生活にどのような影響が出ているのか、あるいは、疼痛などの神経症状などが残っていないかなど、慎重な対応が必要となります。