車両時価

交通事故

名古屋の弁護士の能勢洋匡です。

 

 本日は、車両時価についてお話します。

 

1 車両時価の重要性

  交通事故に遭い、車両が損傷してしまった場合、加害者に対して損害賠償を請求する必要があります。

  このとき、車両の修理費用が車両時価額及び買替諸費用の合計を上回ることを、経済的全損といいます。

  経済的全損の場合、加害者に対して請求することができるのは、車両時価額と買替諸費用が上限となります。

  このため、車両時価の算定が非常に重要となります。

 

2 車両時価の評価

  車両時価は、原則として、同一の車種・年代・型・同程度の使用状態・走行距離などの自動車を中古市場で取得し得る価格のことをいいます。

  実務では、初年度登録から10年以内の車両はレッドブックを参照し、初年度登録から10年を超えている場合には、新車価格の1割と評価されることが多いです。

  ただし、現実の市場価格がレッドブックの評価額や新車価格の1割を上回っていることが証明できれば、その金額を請求することができます。

  たとえば、中古車検索サイトにおいて、事故車両と同じ車種、同じグレード、同じ年式及び同じ走行距離の車両を検索し、その平均価格をもって車両時価と主張することが考えられます。

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