代車使用料
名古屋の弁護士の能勢洋匡です。
本日は、代車使用料についてお話します。
1 乗車中に交通事故に遭われた場合、自動車が損傷するこ
・・・(続きはこちら) 代車使用料
名古屋の弁護士の能勢洋匡です。
本日は、代車使用料についてお話します。
1 乗車中に交通事故に遭われた場合、自動車が損傷することがほとんどです。
自動車を修理するためには修理業者に預ける必要があり、その間、当該自動車を使用することができなくなります。
このため、代車が必要となりますが、レンタカーを借りる場合には、レンタカー代が必要となります。
このレンタカー代(代車使用料)を相手方に請求することができるかどうかが問題となります。
2 代車使用料は、代車を使用した場合には必ず認められるわけではなく、代車を使用する必要があり、かつ、現実に代車を使用した場合に、その使用料が相当な範囲内であれば、損害として認められます。
たとえば、自家用車を通勤にしか使用していなかったところ、勤務先までの通勤に公共交通機関を使用したとしても支障がない場合には、代車を使用する必要性が否定される可能性があります。
3 代車を使用することができるのは、「相当な期間」に限られます。
一般的には、代車の使用期間として、修理に必要な期間として1~2週間程度、買替えが必要となる場合には、1か月程度とされています。
特段の事情がないにも関わらず、事故後、修理も買替えもしないまま代車を使用し続けた場合、上記の期間を超えたレンタカー代について相手方に請求できない可能性があるため、注意が必要です。
例外的に、修理に着手することが遅れたことについて、特段の事情が存在する場合には、上記の期間を超える代車使用料の請求が認められることがあります。
たとえば、修理業者は、修理に着手する前に、加害者側保険会社との間で、修理の方法・範囲・修理費について協議し、協定を結んだうえで修理に着手することが一般的であるところ、この協議が長引いたため、その間修理に着手できなかった等の特段の事情がある場合には、修理に必要な期間を超えて代車使用料が認められたことがあります(神戸地裁平成30年4月19日判決等)。
4 事故の被害に遭われた方の中には、当然、加害者側がレンタカー代を負担してくれると考えておられる方も多くおられますが、実際には、代車料の請求のためには、上記の各要件を満たす必要があります。
このため、どれだけの期間であれば、相手方に対して代車使用料請求できるのか、事前に確認しておく必要があります。
事故後、代車が必要な方は、お早めに、弁護士にご相談ください。